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「天守物語対談」第2弾!
今回は、稽古を通じて見出した課題やこの公演における自分たちの挑戦について話してみました!
お楽しみください!
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円城寺:はい、じゃあ、第二弾ということで!稽古していて実感としてどうですか?
中原:難しいですね(笑) それぞれの要素がどう絡むのかとか…。全体的なやらなきゃいけない要素が多いから。どんどん練っていくという部分が、もうちょっと浸透していくといいなという感じがします。
円城寺:稽古を見ていて、何度も同じシーンを試行錯誤していていく中で、やっぱり、もうちょっと言葉とか深めていく必要はあるなとは感じていて。でも、見に来るたびに少しずつ深くなっていったりとか色づいている印象は個人的に感じていて。これから集中稽古で人数が集まったところで、お互いの様々な要素をどうやって絡めていくかが大切になってくるな、と思いました。
中原:あと、物語の中で自分がどうやって生きているのかっていうのが変わっていくので、分断しているのをちゃんとピースとしてつなぎ合わせていかなきゃいけないっていいうのも、これも各々の意識もそうだし、集中稽古の課題かなあと。今日初めて通し稽古して。
円城寺:特にダンサーの人は場面によって役割が変わっていくから、それが大変そうだなって。
中原:今回主体、自分自身が、誰で、どういう存在なのかっていうのを凄い言っているんですけど、その主体が何なのかっていうのが全部の行動だったり、自分のその反応だったり、いろんなものに関わっていくから、まず、主体としてただそこに存在するという力を強く、持たないと、やっぱりやられてしまう。何かをするために動いてしまうと嘘になっちゃうから、何かをしたくなるための体が主体としてそこにあるということを、もっと獲得できるいいかな、という感じ。
円城寺:ダメ出しとか聞いていると、お互いのことをきちんと感じたりとか、行動というよりも感じるということに意識を向けるべきということを繰り返し言っているな、と。
中原:やることがいっぱいあるとね、頭の中の考えに入っちゃう。そうすると体が置いてかれちゃうし、なんにも感じれなくなっちゃう。反応しあえなくなっちゃうから、混ざり得なくなっちゃうので、それを脱却できるといいかなと。
円城寺:つまりやることをもっと消化していって、稽古場でもっと活かしていければということ?
中原:そう、やらなきゃじゃなくて、やりたくなるか。自分自身が主体としてそれをやりたいってエネルギーになるかどうかの問題で、やりたいから言葉を発している、やりたいから動いている、やりたいからこれをしているっていう、主体が、役、本人が、行きつかないと役として生きるなんて到底無理になってしまうので、やらなきゃいけないことが多いということは、やりたいことが多いということで考え方をしなきゃいけない。
円城寺:やらなきゃいけない要素が多い中で、やっぱりそういう要素が重なって合わさった瞬間っていいなって思って。
中原:あの瞬間って楽しいよね、舞台ならではというか。
円城寺:それを常にできるように、これからどんどん稽古していくというのがこれからの課題ということで?
中原:そうですね。実感をどうするか。
円城寺:他に何か課題とか感じてますか?
中原:実感って話をしたけど、もうちょっと五感が生きてくるといいのかなあと思っていて 。全部具体的なセットにするわけでもないし、そこに創造力というものを、お客さんの想像力を喚起する力を舞台上の人物と空間はもっていなきゃいけないから。お客さんの体を震わせて共感させるには舞台上の人の感性が動いてないといけない、そのために五感を使ってなきゃいけない。その五感を使うということをもっと訓練されるといいんじゃないかなと。
円城寺:やっぱり音楽とも合わせていけたら。
中原:音楽は自分の体から生み出されるものだったり、逆に外の要因なのかとか、ね、杵ちゃんね!
杵屋:そう、ほんと!
中原:今ちょうどね、音楽監督の杵ちゃんが打ち合わせでいるので(笑)ね!杵ちゃん!
杵屋:うんうん
中原:間、とかね!
杵屋:やっぱりね、もっと音を聞かなきゃ
中原:音に寄り添うだけじゃなくって、音が逆に敵…敵じゃないけど、戦う対象である瞬間もあるし、
円城寺:自分の中に取り込んでいく瞬間もあるし、
中原:自分から生まれている瞬間もあるし、逆に空間と空間の間のすっと入ってくる瞬間、間でもあるし、で、音自体も凄い可変だから、いろんな要素があるから…だから、自分にとって主体にとってその音って何なのか、物語にとってその音が何なのかというところもやっぱり全体として考えないと、ただ待っているだけじゃしょうがないし、消化にならない。
円城寺:ちゃんと自分に消化してこその、邦楽とかコンテンポラリーダンスの魅力の増幅っていうのも…
中原:意味がわかっていれば取り込まないという選択肢もあるし、やっぱり。そこと体がぶつかり合うのかもしれないし…というところまでいきつけるといいかな。
中原:でもやっぱり、こうテキストが立体化するときに含まれる要素がいっぱいあるから、そのいろんな可能性が広がっているってところに戦ってほしいし、違う感性を持ってる、観点を持っている人は体が早かったり、それを持ってない人はどんどん遅くなってしまうから、いろんな風にアンテナを張っているというか、吸収する体でいてほしい。
円城寺:せっかくいろんな分野の役者さん集まっているから、他の役者さんから感性とか…も受け取れたら…
中原:自分の尺度を捨てる勇気というか、新しいものを試してみる、やってみる、それでやってみて自分にとってどうか。そういう発見とか、研磨されて行くという瞬間をもうちょっと楽しんでほしいんだけど。
円城寺:稽古を進めていって、戯曲の難しさもそうなんですけど、それと同時に、泉鏡花の天守物語ってすごいなって感じることが凄いあって、なんか、読んでいて言葉のリズム感が凄い心地いいなって思っていて。でもそれは活かさないとぐだっちゃうし、そういうところももっとつめないとなって。
中原:言葉はね、洗礼されているというか、やっぱ能に親しんでいるから、ちっちゃいころから、だから何か響くものってメロディーがあるものとしての言葉としても造詣が深いから、ただ意味を伝えるだけのツールでなく、そこの器の範囲が広いという面では確かに生かさないと、コントロール使いこなさないともったいない。
円城寺:ちなみに、たくさん課題がある中で、稽古していて面白いと感じているところは?
中原:音楽もそうだし、言葉もそうだし、身体もそうだし、空間もそうだし、いろんなものが何かが示していくから、その示しているものをこうまとめていくというのも、凄い難しいなと思いつつ、面白い作業としてやっているんだよね。
お客さんの頭の中で明確化されなくていいんだけど、ただ体の中にしみ込んでいけばいいかなって。
円城寺:空間でちゃんと伝えるっているのは、凄い舞台の中で大切だなって思っていて。
映画とかじゃできないことじゃないですか。
中原:あー、そうそう、カット割りになっちゃう
円城寺:舞台ならではのお客さんへの伝え方だと思っていて、それが凄い活かされている作品だなとも思っていて、お客さんも一緒にはって気づかされる感覚になったりとか、空気を交えて伝えていけたら凄いいい感覚になるんじゃないかなって
中原:ね、お客さんが遅れて解釈したりわかろうとするとお客さん遅れていっちゃうんだよね、まあ、ストーリーとか板の上で起こっていることから。考えなくても同時進行で体感とし続けられるような仕掛けというか、引力、吸引力が舞台上にないとやっぱ考えちゃうから、その引力みたいのに頼ってお客さんに見てもらえれるといいかなと思うんだけど、
円城寺:テキストとしても天守物語は凄いものだけれども、やっぱり舞台になってからこそ価値観を持つものになる部分もある。だからこそ、泉鏡花もあんなに上演を熱望したんじゃないかなって。
中原:そうそう、できなかったからね。今まで上演されている天守物語とは違うけど、泉鏡花が目指している者を汲んでその中で今自分たちが挑戦として入れられるものを入れる作品になっていってると思うので、突き詰められといいかなって思います。
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さていかがでしたでしょうか。
明日はついに小屋入り!ぜひ劇場でお楽しみくださいね。
さて、対談企画の際に、神楽坂の「ギャラリー&カフェ帝」を訪れました。
こちらは「神楽坂めぐりpart2!」でもご紹介しているカフェです。
天守物語にまつわるお皿が置かれていたり、
おいしいフレンチトーストやワッフルがいただけます!
私はおからスコーンをいただきました。
店員の皆様もとてもあたたかく、素敵な時間を過ごすことができました。
もし機会があればぜひこちらも足をお運びくださいね!